歯周病治療

最初は自覚症状も少なく、じわじわと歯ぐきや歯を支える骨をむしばむ歯周病。当院では治療だけではなく、定期的なメンテナンスで再発の予防を重視しています。ご家庭での予防や治療方法についても詳しく説明いたしますので、一度ご相談ください。

院長あいさつ

歯と歯ぐきの間には、歯周ポケットという隙間があります。その隙間にプラークが付着してバイオフィルムができます。これが歯周組織の中で感染症を引き起こしたものが歯周病です。プラーク1mg(耳かき1杯分ぐらい)に、原因菌は30~40億個存在します。

歯周病は、歯ぐきだけではなく歯を支える骨にも悪影響を与えるので、症状が進行すると歯を失う原因にもなる怖い病気です。歯周病は、一度症状が進むと日々のケアだけで症状の改善はできません。

「歯ぐきが腫れる」、「血や膿が出る」などの自覚症状が出たら、かなり進行してしまっている状態です。そうなる前に定期的に検査を受けて、早期発見に努めましょう。

歯周病の進行と基本的な対策

健康な歯周組織

歯周病の進行

歯ぐきは薄いピンク色です。歯周ポケットも深くありません。

対策: 3~6か月に一度は定期検診を受け、健康な状態を保ちましょう。

軽度歯周炎

歯周病の進行

歯ぐきに炎症が起きて、色が赤みを帯びてきます。歯周ポケットも深くなり、歯を支える骨に影響が出てきます。

対策:3か月に一度は定期検診を受け、歯周ポケットの中の汚れを取り除きましょう。併せて毎日のブラッシングでも改善を図ります。

中等度歯周炎

歯周病の進行

「歯ぐきが腫れる」「血が出る」などの自覚症状が出る頃です。歯を支える骨への影響も強くなり、指で押すと歯が動くようになります。

対策:1~3か月に一度は定期検診に来て、バイオフィルムを取り除きましょう。

日常のケアでは、ブラッシングだけでなく塗り薬も使用します。場合によっては歯周外科処置が必要です。この段階であれば、時間はかかりますが治癒は可能です。治療後には定期検診をしっかり受けて、再発を防ぎましょう。

重度歯周炎

歯周病の進行

歯ぐきが定期的に腫れ、かなり痩せてしまいます。痛みもひどく、歯が自然に抜けてしまうこともあります。

対策:ここまで進んでしまったら、治癒はとても困難です。医院でのバイオフィルムの除去を定期的に行い、自宅ではブラッシングや塗り薬などのケアをしっかりして、進行を食い止めましょう。歯周外科手術で歯の保存を目指しますが、残念ながら抜歯が必要となる場合もあります。

歯周病治療の流れ

当院では、すぐに外科手術をして症状の改善を図るのではなく、患者さまの症状や体質に合った治療を定期的に行っています。医院や自宅でのケアで歯周病を根本的に治療し、再発を防ぎましょう。

【STEP 1】検査、診断
歯周ポケットの深さ、歯ぐきの状態、噛み合わせ、レントゲンなどで診査し、歯周病の診断をします。糖尿病、高血圧、喫煙は歯周病を進行させる原因となるので、しっかりとカウンセリングもしていきます。

【STEP 2】歯面処置
歯の表面や歯周ポケットの中などに付着している歯垢や着色汚れ、歯石を、スケーラーやエアフローなどの専用機械で取り除き、バイオフィルムを徹底的に除去し炎症の治癒を図ります。また、汚れが付きにくくなるようにしっかり研磨します。

【STEP 3】PMTCとブラッシング指導
患者さま担当の歯科衛生士の手で、歯の表面や歯と歯の間、歯周ポケットを特殊な機械を使って清掃します。

再び汚れが溜まらないようにするには、日々のブラッシングを正しく行うことが大切です。歯ブラシだけではなく、デンタルフロス(糸ようじ)、電動ブラシ、マウスリンス等の選択や指導も行います。歯周病の進行具合によっては、塗り薬の使い方を指導します。

「歯周内科的抗菌療法として、テトラサイクリン系抗生剤」を使用します。

【STEP 4】再評価検査
治療が進むと、歯周病の改善程度を診査・診断します。必要に応じて、歯肉切除などの外科手術を行います。レーザーや高周波治療の併用も効果的です。定期的に「PMTC、エアフローなどの治療 → 時期を見て再検査」を繰り返し、治癒を目指します。

【STEP 5】メンテナンスと定期検診
歯周病の症状が安定しても、そこで安心してはいけません。3~6か月ごとに定期検診を受けエアフローなどを用いてPMTCを受けて、再発を防ぎましょう。

プロの手で汚れをしっかり除去~PMTC

PMTC

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とは、歯科衛生士が行う歯のクリーニングです。専門のクリーニング機器(スケーラーやエアフロー)を使用して、日常的なケアでは取り切れない汚れを除去し、新たな汚れが付きにくい状態にします。

当院では、症状の改善状況を患者さま担当の歯科衛生士が管理。また、その都度変わる噛み合わせやブラッシングの癖なども、効率良く指導します。